核兵器による人類滅亡を阻止するための道筋提言
著者は「処女降誕をただ単に主観的に信じているだけではなく、しっかりとした理論に基づく実践でもって、今日的に解明・実証しようとこの試論を展開した」と述べる。
キリスト教思想の中で、日本人にとって最も受け入れ難い思想とされているのが、イエスが処女マリアから生まれたとする「処女降誕説」と、イエスが死後、弟子たちの前に肉体をもって現れたという「復活」である。
キリスト教思想の根幹をなす2つの命題について著者は主体的に問い続け、「やはり、イエス=キリストの処女降誕説は正しかった」「おそらく、再臨のキリストも初臨の時と同じように聖霊によって処女から生まれるだろう」との宗教的確信を得たという。
本書では、そうした結論に至る「自分史」を、自らの恋愛体験を含む宗教的哲学的な遍歴として告白しており、それが著者独自のキリスト観形成に深く関わっていることが知られる。
その上で、著者は「核兵器による人類滅亡を阻止するためには、人間の浅はかな能力を超えたところのキリストの再臨(聖霊による処女懐胎)という外在的超越神からの働きかけ以外にない」との確信を吐露し、「核兵器廃絶への道筋」を提言している。
平成20年10月21日中外日報より
- 冷戦の終結とともに泥沼化の一途をたどる地域・民族紛争、続発するテロの猛威、果てしない憎しみと報復の連鎖・常にその背後に見え隠れするものは、一神教を奉ずる世界三大宗教(ユダヤ教・キリスト教・イスラム教)の骨肉相食む、間断なき闘争。
- この争いに終止符を打つ方途は存在するのか? 著者は、「イエス=キリストの神性を世界の人々に客観的に証明する唯一の方法が、処女降誕説の実証とメシア誕生を告げる星の出現」であり、「その再臨のキリストを全世界の中心に据えること」である、と結論する。本書は、難解と思われがちな神学を簡明に解釈しながら、世界三大宗教が勢力争いに余念のない現況にあって、外交に主体性が見られない日本が、今後国連と協調し、いかにその存在価値を世界に知らしめるべきか、種々の提案を行う。
- 常に相対主義に陥りがちなマスコミ界の諸論争に対し、本書は、宗教論議を尽くして、何が絶対的普遍的真理となり得るかを探究していく。