核兵器

国連総会、14年続けて「核兵器全廃」決議のみ
核武装国は反対や棄権
宗教や思想をからめ議論尽くす環境を外務省に提言する

2007年12月5日の国連総会で、核兵器全廃を目指す決議が賛成170カ国、反対3カ国、棄権9カ国で採択された。このような決議採択は1994年以来14年連続だ。日本は、その核軍縮決議案を提出し、賛成票を投じた。賛成票は過去最多を更新したが、前年と同様に、米国、北朝鮮、インドは反対した。中国、フランス、イスラエル、イランなどは棄権した。
このように毎年、国連軍縮会議が開催されているにもかかわらず、核や濃縮ウランの拡散現象は今なお続き、国際社会にとって大きな脅威となっている。
その現実の中で、「わが国の核軍縮に向けた決意とメッセージが広く国際社会に示された」と高村正彦外相は記者会見で述べている。
私は核兵器全廃に向けた日本の次の一手が勝敗の鍵を握っていると考える。医学に西洋医学と東洋医学があるように、日本外交の進むべき道を考察していく場合、次の2つの視点が考えられる。
一つは政治・軍事・経済的次元から国益になることを第一に、もう1つは宗教・科学・思想的次元から先行き不透明な国際政治に安定性をもたらすことである。後者は更に絶対的普遍的真理とは何かを提示・証明していくことに注力する。
日本という国の特徴は、幸いにも島国でありながら日本的な考え方を土台にして、東洋的な考え方、欧米的な考え方をはじめ世界のあらゆる地域の思想・考え方が広く受け入れられ尊重されていることだ。
国家や民族の枠を超えた絶対的普遍的真理の存在がこの世界には必ず存在するという信念のもとで私は、世界が注目するその真理というものを発見し、世界に発信していく可能性を秘めているのはまさに日本国であると信じている。
核兵器全廃に向けた日本の次なる一手について私は、世界に先駆けてその真理探求の環境づくりを今こそ行うべきであると考え、そのためには外務省が中心となって「いろいろな宇宙論の比較検討」、「宗教と科学」、「宗教と政治」、「有神論と無神論」、「自然宗教と汎神論と理神論」、「唯心論と唯物論」、「組織神学」、「神学論争」、「神観念の分類」、「一神教と多神教」、「外在的超越神」、「内在神」、「地球外生命や宇宙人の存在の可能性」などの議題に関し、多くの人々が真撃に議論を尽くすことのできる公的に開かれた環境をつくっていかれることを切に希望するものである。それを提案するものである。

平成20年4月10日 中外日報より